「マンガ誌の作り方 変えてみました。」
大胆かつ挑戦的なキャッチコピーが目を引く漫画雑誌『コミックギア』が8月11日に登場する。
これに関しては、アニメ化もされた大ヒット漫画『ドージンワーク』(芳文社)でデビュー、現在ヤングガンガン(スクウェア・エニックス)でも好評連載中の『マンガ家さんとアシスタントさんと』の作者であるヒロユキ先生が企画・主導している新しい形の漫画雑誌ということがアナウンスされている。
漫画家が雑誌を作る? 「作り方を変える」ってどういう事? 新しい試みとして注目を浴びているこの『コミックギア』を今週と来週の二回に渡って大特集する。
■「マンガ誌の作り方 変えてみました。」の真意とは?
従来の漫画家と言えば、黙々と自宅作業で一本の漫画を仕上げるというイメージがあるが、この『コミックギア』の連載作家たちは毎日一つの作業場に集まって漫画を描いているという。そして漫画家同士がお互いにアイディアを出し合い、ネームを複数人で検討しながら練り上げていき、絵やコマ割の指導をしながら技術を磨いて、漫画を完成させていく「工房」のような一面を持つ。これにより、すべての作家陣が雑誌の誌面そのものについて意識を高めることや、技術や知識の伝達による全体的なスキルアップにも繋がるというメリットが生まれるということらしい。今回はそんな『コミックギア』の仕事場にお邪魔して、この企画を立ち上げたヒロユキ先生にお話を伺ってみた。
ここがコミックギアの仕事場。第一号の校了を終えたばかりで割と人も少ないが、漫画家・アシスタントを合わせると最大で40人を越えるメンバーが集結するそうだ。
漫画家の仕事場というイメージはなく、一般的な会社のオフィスそのものの雰囲気……。
と思ったら、アイマスやハルヒのフィギュアが並んでいるし! 場違いなところに来てしまったかと不安だったが、漫画家らしい面が見られて(?)、なんとなくほっとした瞬間だ。
生原稿がそこかしこに点在している。
ここがヒロユキ先生のデスク。
古今の漫画が並ぶ書庫。参考資料?
ここにあるモニターはすべてナナオのEIZOブランドという質の高いもので、仕事道具には妥協しない姿勢が伺える。それはともかく、壁紙はアスカですよね?
やっぱりこっちもエヴァなのか。
■『コミックギア』は本気度100%!
校了を終えたばかりで放心中のヒロユキ先生にインタビューしてみました。
---まずは第一号の校了、お疲れ様でした。今のご心境は?
ヒロユキ先生(以下、ヒロユキ):まー、大変でしたねぇ(苦笑)。コミックギアの企画を始めてからの2年間で、一漫画家としては経験できなかったことがいっぱいありまして、一番大きいのは人間同士のつきあいでしょうか(笑)
---ヒロユキ先生の今回の役割としては、漫画家さんたちのまとめ役として上に立つ、会社の上司のようなお立場でしょうか?
ヒロユキ:まとめてますけど、そこまで露骨な上下関係があるわけではありません。私は編集長的な立場として最終的なクオリティチェックをして、あとは芳文社さんのまんがタイムきらら編集部との橋渡しをしています。
---今回のような形で漫画を作られるメリットは何でしょうか?
ヒロユキ:(これまでの漫画家と編集の関係だと)編集さんが常に一緒にいないのでその場で指摘しにくいんですが、みんなが一カ所に集まっているので、それが可能になっています。それに編集さんは絵に関して良いか悪いかは言えますけど、どう直せばいいのかまでは言いづらく、作画に関しても絵を描いてきた漫画家ならではの指摘ができます。もちろん私も勉強中の身ですが、それでも見づらくて伝わりにくいカットを具体的に指示したり、ネームに即座にアドバイスできることなど、やれることは多いと思います。
それに人がたくさんいることで退屈しないという常に変化のある仕事場は、従来の漫画家の仕事場にはない点ですね。
---この制作体制の理念についてお聞きしたいです。
ヒロユキ:漫画家全員が雑誌を作っている意識を高めるという目標がありました。漫画というのは最終的には単行本(コミックス)になりますし、単行本が発売される時はすごく嬉しいんですが、その喜びを雑誌でも同じように味わって欲しかったんです。
---二年前から『コミックギア』の立ち上げに動いていたと聞きました。
ヒロユキ:ええ、二年前に『コミックギア』の企画が芳文社さんに受け入れられたその日にマンションを借りに行って、漫画家の友人らに連絡して、さらにパソコンを椅子と机と買い揃えるところからスタートしました。
---速攻ですね(笑)
ヒロユキ:まず物を揃えないと人は集まらないだろうということと、僕がお金を払って本気度を示さないといけないと思いました。それで、バラバラだと団結できませんので規則を作って出社時間を9時に決めたり、私の持っている知識・技術的なことをみんなに教えていて、あちこちで失敗を繰り返して今に至ります。
---周囲の反応は?
ヒロユキ:新しい試みなので期待してる反面、不安もあるという声をいただくのですが、ご指摘いただく点は僕的にもやりながら感じていたことは確かに多く、なるべく早いうちから対策を頑張っている、という感じです。
---『コミックギア』に参加したいという漫画家さんも増えてくると思いますが、連載する資格みたいなものはございますか?
ヒロユキ:資格はありません。一番大事なのはやる気です! 中途半端な気持ちでは続かない職場だと思います。遊びっぽく見える一面もありますけど、意外とやる気は大事ですね。漫画家として一本立ちしていくそういう意志と、あとはコミュニケーション能力です。その人らしい漫画を描く時に、ネタ出しをする時に相手の人となりを分からないとこちらもアイディアを出せませんので重要です。僕の方でも意識してコミュニケーションを取るようにしています。人がよっぽど苦手な人じゃなければ大丈夫です。
--- 一漫画家である時と比べて変わった点は何でしょうか?
ヒロユキ:まずは僕が率先してつまらないものを描くわけにはいかないという(笑)。自分が面白い物をちゃんと描いて、なんで面白いのかをきちんと言葉で具体的に説明できるようにする。読者がどこに面白さを感じるのかということをみんなに理由を添えて、主観を入れずに、ここがよかった・ここが悪かったという「なぜ」を客観的に言うようにしてます
それに、昔よりも漫画が好きになりました。昔はネタ出しが終わらなくて毎回徹夜とか、体力的な部分で辛いことが多かったんです。今は周りに人がいて、ネームをチェックしたり、台割りをつくったりなど、漫画を描く事以外の仕事も多いのですが、それを含めても原稿が昔よりもはかどっています。職場に来たらオン、家に帰ったらオフというスイッチができて、時間を守っているので徹夜みたいなことがなくなったのは大きいですね。
---読者の皆さんや漫画家の方へ意気込みやメッセージをお願いします。
ヒロユキ:見えないところでいろいろやっていますけど、とにかく読者さんにとっては載っている漫画がすべてなので、ぜひとも読んでください。萌えもあればアクションもあればラブコメもあり、いい意味でマニアックにならないように気をつけています。多くの人に楽しんでいただける王道の作りを目指していて、単純に僕は『コミックギア』は面白いと思っています。
漫画家や漫画家志望の方にとっては、『コミックギア』が新しい道になればなぁと思っています。いろんな作家さんが集まる事で良い刺激になって、より雑誌も良くなっていって、結果的に漫画が面白くなれば読者も嬉しいという良い流れになれるように目指しています。応援してください!
---本日はありがとうございました。
次週は『コミックギア』に参加している漫画家さんたちにもインタビューしています。引き続き来週も『コミックギア』特集、ご期待ください!
関連リンク
コミックギア 公式サイト。
ここではギアの執筆陣がコミックギア制作部日記というブログを更新している。
自称清純派 ヒロユキ先生のサイト
取材・文:かーず(かーずSP)









ヒロユキ先生のロリコンネタに愛を感じてから
ヒロユキ先生がどんどん大きくなっていくのを見てきました
というよりもともと大きい人でした
頑張ってください結婚してください